私は「建築とは哲学すること」を基本理念として創作活動している「建築家」です。哲学の三大要素は「美学」「倫理」「「論理」です。中でも最も重要な要素は「美学」です。
建築には文化・芸術の部分と技術の部分とがあります。
これまで技術の部分は「耐震」にみられるように官民とも、厳しく対処してきました。しかし、文化・芸術の部分は放置されたままです。
日本には技術のみ重視する「建築士法」があるだけで、文化・芸術を重視する「建築家法」はありません。先進諸外国(アメリカ、ヨーロッパ)には当然、制定されています。その意味で、日本は法律上「建築士」はいても「建築家」はいないのです。
つまり日本は「耐震建築」は重視しても「美しい建築」を重視しない非文化国家であることは大変残念なことだと思っています。 |